東海日本カナダ協会がManning Elliottと共催
東海日本カナダ協会(TJCS)は、11月13日(水)にカナダ公認会計士事務所「Manning Elliott」(バンクーバー市)との共催で、「カナダビジネス最新動向セミナー」をウインクあいちにて開催しました。カナダ市場への進出を検討する日本企業を中心に51人が参加し、カナダ市場のメリットや考慮すべき点、最新ビジネス事情について学ぶとともに、ネットワークを広げる機会を得ました。
セミナーは、TJCSの天野彰二会長による挨拶で幕を開けました。
続いて、在名古屋カナダ領事館のデイヴィッド・パデュー領事が登壇し、カナダのビジネス環境や日本からの対カナダ投資の事例について話しました。領事は、日加修好95周年を迎え両国の貿易・経済関係が着実に深化している現状を背景に「カナダ進出の魅力として、現地の住みやすさが挙げられる」として日本企業の生の声を紹介しました。また、EV(電気自動車)、AI(人工知能)、グリーンエネルギー分野のマーケットが急成長している傾向や、若者を巻き込んだ取り組みの重要性についても触れ、日本企業と連携し実施しているブリティッシュコロンビア大の就業体験プログラム(Co-opプログラム)も紹介しました。
その後、三菱重工業で広島製作所長や名古屋航空宇宙システム製作所長を歴任した山田陽二氏が、「日本にとどまらず海外でも事業を展開する意義」をテーマに講演。豊富な国際経験を基に、カナダでの工場設立を通じて熟練労働者を活用できた成果やグローバルな視野での事業選択の重要性を強調しました。
さらに、Manning Elliott社の公認会計士デービッド・ディーボルト氏と落合大樹氏が、「日本企業向けカナダ投資環境のアップデート」として、最新情報を報告しました。両氏は、旭化成とホンダがカナダ・オンタリオ州でのEV用電池材料工場の新設を発表するなど相次ぐ日本企業の大型進出事例を紹介。カナダ市場進出のビジネスチャンスとして、①「メイド・イン・ジャパン」への高い信頼性②ニッチ市場での優位性③円安によるメリット④環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)における連携⑤米国を含む複数市場へのアクセスの良さ-を挙げました。
規制などの課題はあるものの、ジェトロや商工会議所、日系金融機関などによる細やかな進出サポートを強調。また、ある日本の製造業者が拠点選定時に「ポートランドではなくバンクーバーを選んだ理由」として、カナダ政府や商工会議所からの「歓迎ムード」が決定要因になったエピソードも紹介されました。
質疑応答では多くの質問が寄せられ、参加者の関心の高さが伺えました。その後のネットワーキングでは、参加者たちがカナダ産ワインや軽食を楽しみながら名刺交換や情報交換を行い、活発な交流が続きました。セミナーは予定時間を延長するほどの盛り上がりを見せ、盛況のうちに幕を閉じました。
ご注意:
イベント申し込みではありません。