水素ハブの構築などで世界的に注目されるカナダ・エドモントン。その最先端の取り組みを紹介し、日本とのビジネス連携の可能性を探る「イノベーション促進セミナー」(主催:エドモントン市経済使節団、協力:TJCS、在名古屋カナダ領事館)が、2月17日にコートヤード・バイ・マリオット名古屋で開催されました。
東海地方を中心に企業や行政関係者ら約50人が参加し、情報共有やネットワーキングを通じて新たなビジネスチャンスを模索しました。
エドモントン市経済使節団には、エドモントン国際空港CEO、エドモントン・グローバルCEO、アルバータ大学総長特別補佐、エドモントン商工会議所CEO、アルバータ産業ハートランド協会エグゼクティブ・ディレクター、API(応用医学)CEOなど経済・教育界の幹部約20人が参加しました。
開会にあたり、在名古屋カナダ領事館のデイヴィッド・パデュー領事が歓迎の挨拶。
その後、エドモントン・グローバル事業開発担当シニアディレクターのブレント・ジェンセン氏が「エドモントン地域の強み」と題して講演しました。
ジェンセン氏は、エドモントン市と周辺自治体を含むエドモントン大都市圏について、以下の四つの特長を挙げました。
若い年齢層
人口構成が若く、活気に満ちている。
高い教育水準
世界レベルの教育機関がそろい、優れた人材を輩出。
成長著しい経済
カナダ第2位の経済成長率を誇る。
優れたアクセス環境
交通や物流の利便性が高い。
ジェンセン氏は「エドモントンの人口は約140万人。現在も人口は増加し続け活気に満ち、カナダで5番目の経済規模を誇り、アルバータ州内総生産の30%を担っています」と、その魅力を強調しました。
さらに、エドモントンが注力する分野として以下の五つを紹介。
食品・農業
ライフサイエンス
水素エネルギー
AIとマシンラーニング
グローバル物流
ジェンセン氏は特に、エドモントンが「カナダで最初かつ最大の水素ハブ」として、国際的な水素供給において重要な役割を担っている点を強調。
エドモントン国際空港が飛行機の発着拠点にとどまらず、水素エネルギーの活用などによる脱炭素化のモデル空港として、世界の航空業界から注目されていることを紹介しました。
一方、日本からは、経済産業省イノベーション・環境局の佐藤優斗氏によるビデオ講演があり、政府視点からのイノベーション支援策についての解説がありました。
さらに、愛知県経済産業局、革新事業創造部の唐松徹担当課長が登壇。2024年秋に名古屋市昭和区鶴舞にオープンした日本最大級のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」を紹介し、「愛知県の企業とぜひ連携を」とエドモントン側に呼びかけました。
また、TJCS(在日カナダ商工会議所)の天野彰二会長は「カナダの最大の魅力は多様性。ビジネス環境が開かれており、受け入れられやすいのは大きなアドバンテージです。安全で生活の質が高く、熟練した技術者も多い。そして何より、人が温かい」と述べ、カナダでのビジネス展開の可能性を評価し、日本とカナダの交流の意義を強調しました。
セミナー終了後には、エドモントン経済使節団のメンバーと参加者のネットワーキングの場が設けられ、立食形式のビュッフェランチを楽しみながら活発な意見交換が行われました。
セミナーを通じて、日本とカナダの企業・自治体間での連携の可能性が広がり、今後の具体的なビジネス展開に向けた第一歩が踏み出されました。
ご注意:
イベント申し込みではありません。